インフルエンザ脳炎とは
インフルエンザの合併症には、肺炎、中耳炎、関節炎、痙攣などがありますが、中でも最も深刻なものが脳炎(インフルエンザ脳炎)です。
インフルエンザ脳炎は、そのほとんどの症例が死亡や重い後遺症を残しており、後遺症も無く軽快な症例が非常に少ないと言われています。
そのため、インフルエンザ脳炎は、命にかかわる深刻な病気なのです。
人の体は、体内にウイルスが侵入すると体温を上げて免疫機能を高めようとします。
しかし、解熱剤などで熱を下げてしまうと、今度はウイルスの増殖が活発になり、それに対抗するために免疫反応はさらに激しく働くようになります。
また、インフルエンザウイルスによって免疫細胞が強烈なダメージを受けると、免疫反応を調整する働きにも異常が見られるようになります。
このようにして免疫機能が過剰に激しく働き、自分自身へも攻撃を加えてしまうと、脳炎、脳症、肺炎などを引き起こす事になるのです。
しかし、40度近い高熱は脳のたんぱく質に悪影響を与えてしまい、それによって重篤な状態に陥る可能性もありますので、体温を下げる解熱剤の使用も、治療の上では考慮しなくてはなりません。
解熱剤の使用は、医師に相談の上で正しく用いる必要があります。