インフルエンザ脳炎の原因
インフルエンザ脳炎は、インフルエンザにかかった後、わずか1~2日程で発症します。
脳炎と脳症との識別は厳密には難しいのですが、脳内に直接ウイルスが浸潤し炎症を起こす状態を脳炎と言い、脳内にウイルスが検出されず、過剰な免疫反応が見られる場合に脳症と診断されます。
約80%が発熱後、数時間から1日以内に神経症状が見られ、わずか1日足らずで重症になる事もあります。
しかし、特に有効な治療法はありませんので、治療は対処療法がおこなわれます。
原因は、はっきりと解明されていませんが、鼻や口の粘膜から侵入したインフルエンザウイルスは、増殖を続けて全身に広がっていきます。
その際、脳にもウイルスが侵入してしまうのがインフルエンザ脳炎の原因だと言われています。
しかし、脳症はウイルスが直接脳に侵入していなくても発症する病気です。
これは、インウルエンザウイルスの病原性(毒性)が極めて強く、体を守る免疫細胞が強烈なダメージを受け、免疫反応を調整する働きに異常が起こるからだと言われています。
免疫反応が正常に機能しなくなると、インフルエンザウイルスはますます増殖しやすくなるため、体の免疫細胞は、さらに過剰に働くようになっていきます。
それによって自分自身の体にもダメージを与えてしまい、痙攣、意識障害、異常行動などがみられるようになり、さらに多くの細胞がダメージを受けると、呼吸が止まったり、血管が詰まったり、多臓器不全へと進み、命に関わる重症となるのです。